出産後のお話

帝王切開で出産しても、赤ちゃんの発育は自然分娩の場合と基本的には変わりませんし、子育てに何か特別なことがあるわけでもありません。ただし、帝王切開は手術なので、傷の回復などの面でお母さんの身体に負担がかかることが考えられます。
出産後は体力の回復を心がけ、子育ての問題は一人で抱え込まずに周囲の人に協力してもらうことも大切です。

1ヵ月健診
経腟分娩と同じように産後1ヵ月目に乳幼児健診を行い、赤ちゃんが順調に発育しているかを確認します。
また、お母さんの産後の健診も兼ねるため、お腹の傷の状態、子宮の戻り具合、貧血などを検査して、異常がないかを確認します。

次回の出産とアフターケア

1ヵ月健診で異常がなければ近いうちにセックスも可能になります。ただし、経腟分娩と同様に産後月経再開には個人差がありますので避妊を忘れずに。帝王切開での出産の後は、子宮の傷の経過やお母さんの疲労も考え、次回の出産は1年以上間をあけることをお勧めします。
また、帝王切開で出産した経験のある方は、安全を考え、次回の出産も帝王切開になるケースが多くなります。

次の出産も帝王切開になるの?

今回と同じ帝王切開の理由がある場合は、次回も帝王切開となります。今回の帝王切開の理由、子宮切開の方法、産後の経過などを考慮して、経腟分娩が可能なケースもありますので主治医に相談してください。ただし、以前に帝王切開による出産の経験がある方は、安全を考えて次回の出産も帝王切開になるケースが多くなります。

なお、帝王切開後に経腟分娩を行うことをVBAC:ブイバック(Vaginal Birth After Cesarean Sectionの略)と言います。 ただし、VBACは母子の健康状態、前回帝王切開の理由、医師や病院の方針によってできないケースもあります。 また、VBACを試みることをTOLAC:トーラック(Trial of Labor After Cesarean Delivery)と言いますが、TOLACの途中で緊急帝王切開に変更となる場合もありますので、設備の整った施設でしかお勧めできません。 医師の説明を聞き、十分相談したうえで出産方法を決めてください。